トンチン保険4商品(日本生命「グランエイジ」、第一生命「ながいき物語」、太陽生命「100歳時代年金」、かんぽ生命「長寿のしあわせ」)のパンフレット

老後のお金

【トンチン保険を一挙比較】日本生命、第一生命、太陽生命、かんぽ生命

著者:

 

トンチン保険4商品を、社会保険労務士・ファイナンシャルプランナーの菅田芳恵(すがたよしえ)さんが比較、解説します。対象商品は、日本生命「グランエイジ」、第一生命「ながいき物語」、太陽生命「100歳時代年金」、かんぽ生命「長寿のしあわせ」です。

菅田芳恵(すがたよしえ)さん

社会保険労務士・ファイナンシャルプランナーの菅田芳恵さん

※長生きリスクに対応した「トンチン保険」のメリットやデメリットなど、基本的な仕組みは以下記事を参考にしてください。

日本生命「グランエイジ」の特徴

日本生命「グランエイジ」のパンフレット

日本生命「グランエイジ」のパンフレット

  グランエイジ(日本生命)
加入(契約)年齢 50~87歳
受け取り開始年齢 60~90歳
年金の種類 「5年保証期間付終身年金保険」「10年確定年金」
損益分岐年齢(※) 男性:90歳、女性:95歳

※前提条件は以下モデルケース

・50歳で「5年保証期間付終身年金保険」に契約。
・70歳払込満了で年金受取開始。
・年金額は、60万円。
・保証期間(5年)内に受給できる金額は、3,000,000円。
・月払保険料は、男性50,790円、女性62,526円。
・払込期間20年の保険料総額は、男性12,189,600円、女性15,006,240円。
・損益分岐年齢は、男性90歳、女性95歳。
・100歳時の返戻率が男性152.5%、女性123.9%。

※記載の保険料は、平成30年2月14日(計算基準日)現在。

途中解約の場合、解約返戻金は払込保険料相当額の約7割
年金受け取り前に死亡すると、解約扱いとなる
途中で10年確定年金や一括受け取りに変更が可能
早く亡くなっても、保証期間分の年金を受け取ることができる

メリット・デメリット

日本生命「グランエイジ」は、払込期間中に健康に不安が出てきた場合、10年確定年金や一括受取りに変更できることが大きな特徴です。

途中での解約や亡くなることを考えると、損はしません。払込の途中、健康に不安を覚えた場合は変更することをお勧めします。

第一生命「ながいき物語」の特徴

第一生命「ながいき物語」のパンフレット

第一生命「ながいき物語」のパンフレット

  ながいき物語(第一生命)
加入(契約)年齢 50~80歳
受け取り開始年齢 60~90歳
年金の種類 「10年保証期間付終身年金保険」「5年・10年・15年いずれかの確定年金」
損益分岐年齢(※) 男性:89歳、女性:94歳

※前提条件は以下モデルケース

・50歳で「10年保証期間付終身年金保険」に契約。
・70歳払込満了で年金受給開始。
・年金額は、男性605,800円、女性608,500円。
・保証期間内に受給できる金額は、男性6,005,800円、女性6,085,000円。
・月払保険料は、男性48,000円、女性60,000円。
・払込期間20年の保険料総額は、男性11,520,000円、女性14,400,000円。
・損益分岐年齢は、男性89歳、女性94歳。
・100歳時の返戻率が男性163.0%、女性130.9%。

※記載の保険料は、平成30年2月14日(計算基準日)現在。

途中解約の場合、解約返戻金は払込保険料相当額の約7割
年金受け取り前に死亡すると、解約扱いとなる
年金受取開始前であれば、所定の範囲内で受け取り方法を変更できる
早く亡くなっても、保証期間分の年金を受け取ることができる

メリット・デメリット

第一生命「ながいき物語」も払込期間中、健康に不安が出てきた場合、年金を受け取る前であれば、所定の範囲内で確定年金に変更することができます。

また、100歳時点での返戻率が高い商品です。そのため、健康に自信があり長生きする可能性が高いと考える方は、選択する価値はあるかと思います。

太陽生命「100歳時代年金」の特徴

太陽生命「100歳時代年金」のパンフレット

太陽生命「100歳時代年金」のパンフレット

  100歳時代年金(太陽生命)
加入(契約)年齢 50~85歳
受け取り開始年齢 60~90歳
年金の種類 「5年保証期間付終身年金保険」
損益分岐年齢(※) 男性:90歳、女性:95歳

※前提条件は以下モデルケース

・50歳で「5年保証期間付終身年金保険」に契約。
・70歳払込満了で年金受給開始。
・年金額は、600,000円。
・保証期間内に受給できる金額は、3,000,000円。
・月払保険料は、男性45,309円、女性61,047円。
・払込期間20年の保険料総額は、男性10,874,160円、女性14,651,280円。
・損益分岐年齢は、男性88歳、女性94歳。
・100歳時の返戻率は、男性171.0%、女性126.9%。

※記載の保険料は、平成30年2月14日(計算基準日)現在。

「終身生活介護年金保険」を組み合わせると、トンチン型年金に特約で介護保障も付けることができる
途中解約の場合、解約返戻金は払込保険料相当額の約7割
年金受け取り前に死亡すると、解約扱いとなる
早く亡くなっても、保証期間分の年金を受け取ることができる

メリット・デメリット

同じ5年期間付終身年金保険の日本生命「グランエイジ」と比べると、保険料がお得になっています。

ただし、日本生命のように年金開始前に他の商品に変更することはできません。ですので、加入する際は、自分の健康状態をよく考えることが必要でしょう。

かんぽ生命「長寿のしあわせ」の特徴

かんぽ生命「長寿のしあわせ」のパンフレット

かんぽ生命「長寿のしあわせ」のパンフレット

  長寿のしあわせ(かんぽ生命)
加入(契約)年齢 50~70歳
受け取り開始年齢 60~80歳
年金の種類 「20年保証期間付有期年金保険」
損益分岐年齢(※) 男性:92歳、女性:94歳

※前提条件は以下モデルケース

年金額は、10万円~90万円
払込期間は10年~30年間で5年刻みに選択
年金支払い期間は、終身ではなく最大30年
途中解約の場合、解約返戻金は払込保険料相当額の約7割
年金受け取り前に死亡すると、解約扱いとなる
保証期間が20年あり、死亡した場合、残りの期間の年金が一括で支払われる

50歳で「20年保証期間付有期年金保険(年金支払期間最大30年)」に契約。
・70歳払込満了で年金受給開始。
・年金額は、60万円。
・保証期間内に受給できる金額は、12,000,000円。
・月払保険料は、男性56,100円、女性62,040円。
・払込期間20年の保険料総額は、男性13,464,000円、女性14,889,600円。
・損益分岐年齢は、男性92歳、女性94歳。
・99歳時の返戻率は、男性133.7%、女性120.9%。

※記載の保険料は、平成30年2月14日(計算基準日)現在。

メリット・デメリット

終身でないのが難点であり、最大30年しか年金を受給できません。しかし、一方で保証期間は20年と長くなっています。

また、年金額や払込期間が自由に選択できる種類は豊富です。ただ、トンチン保険のメリットである長生きリスクに対応した商品とは言い難いです。

この保険内容であれば、健康に自信のある人は別の商品を選択し、自信のない人は預貯金でも十分可能かと思います。

比較まとめ

日本生命「グランエイジ」、第一生命「ながいき物語」、太陽生命「100歳時代年金」、かんぽ生命「長寿のしあわせ」4社のトンチン保険には、「保証期間付の終身保険」と「確定年金」があります。

長生きリスクに備えたい場合には、やはり終身保険を選ぶと良いでしょう。

老夫婦のイラスト

イラスト:koti / PIXTA

終身保険タイプの商品には、大きな違いがありません。
特に、日本生命、第一生命、太陽生命については内容がほぼ似ています。

なにを判断のポイントにすべきか?
まずは、損益分岐年齢(年金の受取累計額が払込保険料の総額以上に達する年齢)です。

日本生命は、男性90歳・女性95歳。第一生命は、男性89歳・女性94歳。太陽生命は、男性88歳・女性94歳です。
この中では、太陽生命が一番若い年齢で保険料の元を取ることができます。

また、健康に不安を覚えた時に、終身から確定に変更できるか否かもポイントです。日本生命や第一生命の場合、終身から確定年金に変更が可能です。

かんぽ生命は3社と少し異なり、終身ではなく最大30年です。終身でない点を踏まえると、長生きリスクに適した商品とは言い難くなります。

長生きリスクに備えるには、終身年金が安心です。
しかし、平均寿命(男性:約81歳、女性:約87歳)を考慮すると、保険料の元を取ることができるのは、よほど健康に自信がある人以外は難しいかと思われます。

長生きリスクに備えるためには、まずは公的年金を繰下げ受給し、そして定年退職や65歳以降も働くことも視野に入れる。

それでも不安に感じるようであれば、トンチン保険を検討すれば良いかと思います。もっとも、ある程度の資産がある方は、あえて加入せずに生活を切り詰めることをお勧めします。

この記事の著者

菅田芳恵(社会保険労務士)

菅田芳恵(社会保険労務士)。社会保険労務士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士CFP(R)、産業カウンセラーなどの資格を保有。愛知大学法経学部経済学科卒業後、証券会社、銀行、生保、コンサルティング会社勤務後、独立開業。三重県金融広報委員会金融広報アドバイザー、名古屋市中小企業振興センター相談員も務める。

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