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銀行口座は複数にすべき?1つ? 【お金のプロが回答】

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複数の銀行口座を持つメリットとデメリットについて、ファイナンシャル・プランナー伊藤亮太さんがケース別に解説します。これを機に、自分にフィットする使い分けを考えてみては?(サムネイル写真:iStock by Getty Images / winhorse)

ファイナンシャル・プランナー伊藤亮太(いとうりょうた)さん

ファイナンシャル・プランナー伊藤亮太(いとうりょうた)さん

「複数の銀行口座を持つべきか? 1つにまとめるべきか?」

これは何度か悩んだことがあるテーマかもしれません。

結論から言うと、みなさんの考え方によって最終的な答えが変わってきます。

いずれが正しいのではなく、どのような場合に複数の銀行口座を持つべきか? 1つにまとめたほうが良いのか? をアドバイスします。そのために、様々なケース毎に説明していきます。

なお、会社からの給与振り込みなどで銀行や支店を指定され、複数の口座を管理する人もいるかと思います。こうした状況も想定しながら、どのように複数の口座を活用すべきか、指南していきます。

複数の銀行口座を持ったほうが良いケースは?(メリット・デメリット)

複数の銀行口座を持ったほうが良い場合は、(1)「ペイオフ(※)に対応する場合」(2)「収入と支出を明確にしたい場合」(3)「確実に貯蓄をしていきたい場合」などが挙げられます。

※預金の保護制度

銀行口座を複数持ったほうが良い3つのケース(ペイオフに対応する、収支を明確にしたい、確実に貯蓄をしたい)

編集部スタッフ作成

ペイオフに対応

まず、(1)のケース「ペイオフへの対応」から解説します。

もし、定期預金を預けている金融機関が倒産したら、現在ではペイオフ(預金保険制度)の対象となり、1,000万円とその利息までが保証されます。

それ以上の金額については、倒産状況により変化します。

破たんに備え、金融機関を分散させたい。自身の預金を安全な状況に置いておきたい人は、複数の金融機関に口座を分けておきましょう。具体的には、1,000万円ずつ複数の金融機関に預けるといった方法です。

注意点は、同じ金融機関であっても、支店を分ければ良いわけではないこと。

同じ金融機関に預けた場合には、あくまでも合算して1,000万円とその利息までが保護の対象となりますのでご注意ください。

なお、当座預金に関しては全額が保護されます。外貨預金は保護の対象外です。

普通預金や定期預金を考える場合に1,000万円ずつ分けることを考えてください。

収入と支出を明確にする

(2)のケース「収入と支出を明確にしたい」と考える人は、口座を2つに分けて管理してみましょう。

片方は「収入を管理」するための口座、もう一方は「支出を管理」するための口座とします。

収入を一つの口座で管理することにより、給与収入などが毎月いくら入ってきたのか把握することができます。

一方、そこから必要な資金のみをもう一つの口座に移動させ、そこで支出の管理をします。クレジットカードなどの支出は、すべてこの口座で引き落としの設定を行っていきます。

写真:Graphs / PIXTA

こうすることで、入りと出を明確にするのです。特に、家計簿をつけるのが面倒に感じる人は、入りと出を区別できれば、毎月の収支を簡単に計算できます。

さらに、給料日にもう一方の口座に決めた金額を移動させれば、残ったお金は貯蓄としてカウントできます。

ルールを決め、一定額の中で支出管理を行うようにすれば、つい使いすぎてしまうことも減っていくでしょう。

確実に貯蓄をしたい

(3)のケース「確実に貯蓄をしたい」と考える人は、通常の預金口座とは別に積立貯蓄口座を開設しましょう。

そして毎月3万円などと設定し、通常の預金口座から天引きします。こうすることで、確実な貯蓄を実行できます。

通帳

写真:ミック / PIXTA

もし、複数の銀行口座を持つことで、お金の管理が楽になるのであれば、複数持つべきです。

給与振り込みなどの事情で複数の口座を持つことになった場合には、もう片方を支出管理として活用したり、お小遣い用にしたりと区分けしながら、うまく活用しましょう。

銀行口座を1つにまとめたほうが良いケースは?(メリット・デメリット)

銀行口座を1つにまとめたほうが良い場合、その一番の理由は複数の管理が面倒に感じることでしょう。1つの口座で収支管理ができ、かつ貯蓄も管理もできる人は、1つにまとめてしまったほうが楽なのは間違いないです。

銀行口座の通帳一つ

写真:Graphs / PIXTA

特に、自営業者で確定申告を行う必要があるケースなどでは、複数で管理していくと、なにがなんだか整理がつかなくなることもあるでしょう。

1つにまとめておけば、金銭管理がややこしくなくなります。

預金関連を1つにまとめる代わりに投資部分は証券口座に入金してしまう。貯蓄と運用を別々にし、預金口座を1つに仕分けてしまったほうが管理は楽です。増やす面と貯める面を分けることも頭に入れておきましょう。

ご自身でお金の流れがわかり、管理をすべてまかなえる人や、手間を省きたい人は1つにしましょう。貯蓄などを強制的に行っていきたいと考える人は、複数に口座を分けてみましょう。

他に、こんな選択肢もあります

このほか、金融機関によっては、定期預金の口座を持つことで宝くじがもらえたり、懸賞金が当たるといった制度が提供されています。

クレジットカード払いのための口座を開設することで預金金利がアップするなんてケースもあります。こうした特典をうまく利用したい場合には、複数の口座を持つことも悪くありません。

さらに、もう一つ。複数の口座をあえて開設するメリットとして、代理人カードの手段もあります。

一人暮らしの子どもにキャッシュカードを1枚持たせ、親もキャッシュカードを持つことで仕送り代わりとして活用。夫婦で持ち、お互いの口座を分け、貯蓄だけ一つの口座にまとめるといった使い方もできます。

いざという時に、どちらかが引き出せることでも利便性は高いです。

未使用、放置している口座は、どうしたら?

最後に、ここまでお読みいただき、「使っていない口座はどうしたらいいの?」と考える人もいるでしょう。もし、必要がなければ預金を引き出しておき、もしくは口座の廃止を検討するのもいいのではないでしょうか。

一般的には休眠口座(※)になったとしても、預金が引き下ろせる場合が多いですが、どこにいくらあるか把握できなくなるよりも、分かっているうちにまとめてしまったほうが預金管理は楽になります。ぜひ、使っていない口座がないか確認してみましょう。

※長期間、取引されていない銀行預金

複数の口座、1つの口座どちらの管理方法が良いのかは、どの観点を重視するかで結論が異なります。

みなさんは1つの口座と複数口座、どちらが良いですか? メリットとデメリットを踏まえ、魅力に感じたほうが、あなたにとっての結論です。

(文:ファイナンシャル・プランナー伊藤亮太さん、編集・構成:SENECT編集部)

この記事の著者

伊藤亮太(FP)

慶應大学大学院商学研究科修了後、証券会社の営業・経営企画部門、社長秘書等を行い、投資銀行業務にも携わる。現在は、独立系FPとして、個人の資産設計を中心とした提案を行う。東洋大学経営学部非常勤講師、大手前大学通信教育部非常勤講師、千葉科学大学危機管理学部非常勤講師も務める。資産運用の講演は、日本証券業協会、金融庁、大阪証券取引所、SBI証券など多数実績あり。

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